村上友里
診療所がPCR検査の結果を陰性と誤って伝えたため新型コロナウイルスで死亡したとして、当時88歳の女性の遺族が東京都内の診療所側に約4700万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
7日の第1回口頭弁論で、原告の遺族は「診療所の重大な落ち度で適切な治療を受けることができず死亡した」と訴え、被告の診療所側は「検査結果を誤って伝えたことと死亡との間に因果関係はない」と反論した。
訴状によると、女性は昨年1月、診療所でPCR検査を受けた。その際に診療所の事務員が、陽性と記された報告書を陰性と読み間違え、遺族に陰性と伝えた。
2日後の夕方、診療所側は陽性だったと訂正して伝えたが、その日の午後9時ごろ女性の体調が急変。搬送先の病院でコロナが原因の肺炎で死亡した。遺族は診療所側に注意義務違反があったと主張している。
診療所側は「体調の急変は検査を実施したにすぎない診療所にとって回避不可能だった」と訴えている。(村上友里)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル