聞き手・友野賀世
大谷翔平選手の活躍で、何かと話題の二刀流。二刀流を実践するのは人間だけなのだろうか。「もの」を「二刀流」の観点からとらえると、どんなことが言えるだろうか。たとえば家電だと? 使い方での「二刀流」もありうる? 家電ライターの藤山哲人さん、どうですか?
ふじやま・てつひと 1967年生まれ。雑誌やウェブで家電に関する記事を執筆・監修。愛称「家電おじさん」。ソフトウェア開発なども手がける。
リレーおぴにおん 「二刀流で行こう」
「見守り家電」と呼ばれる電化製品があります。たとえば電気ポット。お湯を沸かす電気ポット本来の役割に、見守り機能を付けたものです。日々のポットの利用状況を、あらかじめ登録したメールアドレスに通知する仕組みで、離れて暮らす高齢の親の様子を子どもがさりげなく見守ることなどが想定されています。
このように、家電はネットとつながることで、本来の役割以外も務めることができる。「二刀流」を実践していると言えるでしょう。
ネットとつながること、AIとつながることで家電は便利にもなります。たとえば料理に関し、献立を提案して調理手順を教えてくれる家電はすでに発売されています。「豚肉と豆腐とキャベツを使いたい」とオーブンレンジに相談すれば、これまでの調理内容や調理時間などの履歴を元に、メニューと手順を教えてくれるイメージです。料理を勉強したい人や、料理が得意でない人にとっては助かりますよね。
一方、料理が得意な人、料理好きな人は「この材料で何を作ろうか。どんな風に作ろうか」と考えたり、工夫したりすること自体が楽しい。家電からの献立の提案や手順説明を使うことは、ほとんどないでしょう。
技術の進歩により二刀流にも…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment