誰もいない橋、欄干に女性が 服をつかみ「だめだよ」と

 静岡中央署は16日、女性が飛び降り自殺するのを防いだとして静岡市葵区の会社員川崎紗代子さん(32)と、ひき逃げの被疑者検挙に貢献したとして静岡中央郵便局の委託職員、田中奈央さん(26)に感謝状を贈った。2人の非常時における冷静な対応と勇気をたたえた。

 川崎さんは医療機器の営業職。9月30日に車で病院に向かう途中、橋の欄干から飛び降りようとする女性が見えた。近くには靴とカバンが置かれ、周囲には誰もいない。車を止めて音を立てずに後ろからゆっくり近づき、女性の服をつかんで「だめだよ」と優しく声をかけた。

 さらに偶然近くを通りかかった警察官2人が女性の飛び降りを止めようとする川崎さんに気付き、3人がかりで救助した。川崎さんは「表彰には驚きですが、似たような状況を見たとき、手助けできる人が増えたらいいのかなと思います」。

 田中さんは10月23日、目の前で車が後進し、自転車の男子小学生にぶつかる現場を目撃。小学生は軽傷で済んだが、逃げ去った車の特徴を同署に伝え、早期検挙につながった。感謝状を受け取り、「人として当然のことをしただけなので、表彰には驚きでした」と話した。(植松敬)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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