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18日に東京都調布市で、住宅街の道路が陥没し、深さ約5メートルにも及ぶ穴が開きました。穴は19日朝までに埋められましたが、住民は不安を隠せません。実は、周辺では、先月から、異変が相次いでいたといいます。住民によりますと、陥没現場の一つ裏の通りにある複数の家で、縁石が沈んだり、壁にひび割れなどが起きたそうです。同じ時期には、揺れや騒音も多発していたといいます。 穴との関連が疑われるのは“東京外かく環状道路”、通称“外環道”の工事です。現在、関越道から東名高速につなぐ約16キロでトンネルが造られています。穴ができたのは、この区画の真上です。工事は“シールド工法”で行われています。シールド工法とは、先端に硬い金属の歯がついたシールドを回転させながら土を掘っていく技法です。削り取られた土砂は、ベルトコンベアで後ろに送られ、掘り進むと同時に、土砂崩れを防ぐコンクリートブロックが敷き詰められます。軟弱な地盤でも掘り進むことができ、海底トンネルや地下鉄の工事など、多くのトンネルで採用されている工法です。地下40メートルより深い場所で行われる外環道の工事に、地上の住民の許可は要りません。掘削用の重機が穴の真下を通ったのは、先月14日。住民が異変に気づいたのは、その直後だったといいます。ひび割れなどの現象とトンネル工事との因果関係はわかっていませんが、ネクスコ東日本は、穴を埋める仮の復旧作業をしたうえで、地下での工事を、いったん中止。ネクスコ東日本は19日午後3時から原因究明のための有識者会議を行い、午後から会見を行いました。
東京外環トンネル施工等検討委・小泉淳委員長:「因果関係があるか、初めから空洞があったか。それはこれから調べてみないとわからない。絶対これが原因なのか、断定するのは今の段階では早い。ただ、因果関係がないとは言い切れないし、急にこういうふうに落ちることはない」
6月には横浜市でも、陥没事故がありました。地下では、鉄道のトンネル工事がシールド工法で行われていて、機械が土砂を過剰に削り取り、地下に隙間ができたことが原因とされています。
東京外環トンネル施工等検討委・小泉淳委員長:「考えられるとしたら、もともと空洞があったか、土を多く取りすぎたか、どちらか。適正に土の量を取っていて陥没するのは考えられない。ということであれば、シールドが原因ならば、土を取りすぎたことが原因だと考えられる」 ◆土木工学専攻の東京工業大学・竹村次朗准教授に聞きます。
※空洞があった可能性、過剰に土砂を取り込んだ可能性について
空洞というものは、元々安定していないので、もしあったとしたら、工事の振動によって、土砂が空洞部分に落ちて、陥没につながった可能性があります。ただ、工事が行われた約1カ月後に陥没が起きたので、プラスアルファのきっかけがあったと思います。もう一つ、陥没した原因として考えられるのが、過剰に土砂を取り込んだ可能性です。土砂を取り過ぎたことで、周辺の地中にゆがみが生じてバランスが崩れて、崩壊につながった可能性があります。深い場所での大工事ですので、過剰に取り過ぎてしまうケースが考えられる。空洞があるとわかっている場合は、事前に対策が取れるが、空洞の存在がわからない場合は、防ぎようがない。大きなシールド工事なので、今後の調査として、陥没現場だけでなく、周辺も詳しく調査をする必要があると思われる。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース