東京都調布市の東京外郭環状道路の地下トンネル工事のルート上で、道路の陥没や空洞が見つかった問題で、東日本高速道路(NEXCO東日本)の有識者委員会(小泉淳委員長)は19日、工事で地盤が緩んだことが原因とする報告書を公表した。NEXCO東は2年程度をかけて地盤を補修する方針で、外環道計画は大幅に遅れる可能性がある。
報告書によると、ボーリング調査などの結果、トンネル直上の地盤が南北約360メートルにわたって緩んでいたことがわかったという。NEXCO東は、トンネル工事の再開見通しは立っていないとしている。
また、NEXCO東は被害の補償は、壊れた家屋の補修費用のほか、アパートなどの家賃の減収分や、地盤補修後に出た不動産の売却損、工事が原因で体調を崩した人の治療費などを対象とすることも明らかにした。トンネルの直上の南北約600メートルの範囲で、対象は約1千軒に上るとみている。
東京都練馬区と世田谷区を結ぶ約16キロの外環道の事業費は、予定していた約1兆6千億円から約2兆3500億円に膨れ上がっている。今回の陥没問題で補償費用などが積み上がれば、さらに費用がかさむ可能性がある。(山本孝興)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル