DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタ塩酸)といえばもうすっかりおなじみの栄養素です。DHAもEPAも魚の脂だけに含まれる不飽和脂肪酸で、特にイワシ、サバ、サンマなどの背の青い魚や、マグロなどに多く含まれていることが知られています。
DHAはコレステロール値の上昇を抑えたり、中性脂肪を低下させ、EPAは血栓予防や血管の収縮を抑える効果があると言われています。
しかし、「食べる季節や調理法によってはDHAもEPAが十分に摂れないことがあるので注意が必要です」と管理栄養士の柴田聡美先生は指摘します。
部位や季節によっても含有量が異なる
DHAやEPAは旬の新鮮な魚に多く含まれているそうです。
「DHA、EPAとも魚の脂に多く含まれるので、旬で脂がのった時期に最も多くなります。また、部位によっても含有量が異なります。多く含まれている部位はトロ、内臓や血合い、目玉などです。目玉にはDHAが特に多く含まれます。
ただ、青魚は鮮度が落ちると酸化しやすく、そうなるとせっかくの両者が持つ健康効果も減少してしまうので、新鮮なうちに食べましょう」(柴田先生)
加熱調理で流れ出す不飽和脂肪酸
調理方法によって多くの不飽和脂肪酸が失われてしまうので、注意が必要です。効果的にDHAやEPAを摂るには、どういう方法があるのでしょうか。
「DHAやEPAはサラサラしていて流れ出やすく、たとえば加熱調理では、焼き魚で約2割、揚げ物で約5割が流出すると言われています。そのため、効果的に摂るには生、つまり刺身が一番です」(柴田先生)
「加熱調理の場合は、汁ごと食べる料理、たとえば味噌汁や薄味で煮て煮汁ごと食べる煮物などがおすすめです。汁にDHAやEPAが流れ出ているので、それをそっくりいただくわけです」(柴田先生)
厚生労働省によると、「DHA及びEPAは1日1g以上摂取することが望ましい」とされています。この量を摂るには、今が旬のサンマなら塩焼きで約半尾分ですが、刺身なら5切れ程度で十分だそうです。
旬の青魚は脂がのって最高の状態になります。DHA、EPAを逃さない効果的な調理法で、おいしくいただきましょう。
ウェザーニュース
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