古今東西の絵画や版画、彫刻……。そのテーマはどれも猫! 猫好きの美術ファンには知られたコレクター「招き猫亭」氏は、約40年でおよそ630点の美術作品を集め、すべてを神奈川県藤沢市に寄贈した。現在、夏にちなむ猫たちが展示中だ。コレクターは身分など一切を明かしていない。様々な姿態の猫は、どのように集まったのか――。
「ここの壁に1枚飾ろう」。メールで尋ねると、最初は好きな絵を時々買う程度だったと「招き猫亭」氏は明かした。
「猫」を集め始めたきっかけは、レオナール・フジタ(藤田嗣治)の肉筆画「猫を抱く少女」。以前買った作品が複製版画と知り、「本物を入手しないと気が収まらなかったので頑張って買いました」。
真筆は心に響くものが全く違っていた。作品が自宅に届いてからは「もう絶対に投機の対象にさせないから、ここが終(つい)のすみかだからね、と作品に話しかけていた」。
コレクションは江戸時代の大…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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