富山湾で珍魚「アカナマダ」が漁船に引き揚げられた。赤い背びれが特徴で肛門(こうもん)からスミを噴く。深海にすむ魚だが、なぜ捕獲されたのか。
ホタルイカ漁も終わりに近づいた5月15日未明、富山県射水(いみず)市の漁船「新徳丸」が引き揚げた定置網に見慣れない魚が入っていた。頭が突き出た特徴のある顔。背びれを波打つように動かし、1メートル前後の銀色の魚体が水しぶきを上げている。網を引き揚げた菅沼タクさん(24)はこの時期よく入るサケガシラだろうと思ったが、魚に詳しい後輩の漁師はアカナマダと推測。珍しい魚ならばと、魚津水族館に引き取りを求めた。
拡大する
アカナマダは沖合の中層(深さ200メートルから1千メートルの層)に生息するといわれるが、捕獲例は少なく、生態はよくわかっていない。水族館の木村知晴飼育研究係員によると、刺し身はヒラメのような歯ごたえのある白身で、癖がなくあっさりした味わいという。
水族館に残る記録では、富山県内では1988年に魚津市の片貝川河口に打ち上げられて以降、30年以上見られなかった。それが昨年は、2月から4月にかけて8個体が相次いで釣り上げられたり、網に入ったりした。
通常は水温差などですぐに死ん…
980円で月300本まで2種類の会員記事を読めるシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment