警察の「顔」として活躍するマスコットキャラクター。東海3県警では、いずれも90年代に鳥から発案され、それぞれの特徴を生かして活動しています。なかには戦力外通告を受けて、引退を控えるキャラも。各県警を担当する記者が掘り下げました。
ファミリー活躍、著名作家が関係?
黄色いくちばし、きょろきょろした目、丸いフォルム。愛知県警のマスコット「コノハけいぶ」は、妻や子、祖父母といった家族とともに活動の幅を広げている。デザインに関わる人たちの思いと、著名漫画家が関与しているといううわさの真相に迫った。
コノハけいぶは1991年、県鳥のコノハズクをモチーフにつくられた。県警によると、「闇夜でも獲物の動きを知ることができる目と耳、大きな動物も捕まえられる強い足、鋭い爪、力強い翼を持っていることから、昼夜を問わず、あらゆる犯罪に立ち向かうことができる」という理由があった。
コノハけいぶには、コノハまま、コノハじぃじなど6人の「ファミリー」がいる。県警内外に家族の大切さを訴えようと、2010年に新たに誕生した。
ファミリーのデザインは県警内で公募され、504点の中から、熱田署の中島英利警部補(46)と西署の菅谷健巡査部長(41)のデザインが選ばれた。
中島さんは同僚の似顔絵を描くのが趣味。菅谷さんは美術系の大学を卒業し、デザイン会社で務めた経験があった。2人はその後、各警察署のマスコットキャラクターなどもデザインしてたという。菅谷さんは「温かい家族をイメージしてデザインした。イベントや広報誌でファミリーを見るたび、うれしくなる。100年たっても県警の顔として活躍してほしい」と思いを語る。
ファミリーは、主に県警のホームページや職員向けの機関誌で活躍している。コノハばぁばが還付金詐欺の電話を受けたり、次女で小学生のコノハみらいが不審者から声をかけられたりする4コマ漫画も人気だ。
機関誌などのイラストを担当する教養課の白井泉帆巡査(26)は、ファミリーが誕生して10年の節目に、全員が手をつないで輪になっているイラストを思いを込めて描いた。今後は4コマ漫画も引き継ぐ予定で、「漫画を通じて、一般の人に防犯に意識をむけてもらいたい」と意気込む。
拡大する機関誌などにコノハファミリーのイラストを描く、愛知県警教養課の白井泉帆巡査=名古屋市中区
さて、主役のコノハけいぶのデザインをめぐっては、「漫画家の鳥山明さんが描いた」という説が、県警内外でまことしやかに語られている。
鳥山さんは、世界的な大ヒット作品「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ」の作者で、地元は愛知県清須市だ。
本当だろうか。記者が漫画ドラ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル