警察による容疑者の取り調べの録音・録画(可視化)について、警察庁が2022年度の実施状況をまとめた。可視化が義務化されている事件で全過程を可視化した割合は前年度より上がったが、ミスで全ては可視化しなかったケースが10件あった。
警察庁は「制度は現場で定着しているが、まだミスがあり、なくすことを目指す」としている。
改正刑事訴訟法が施行された19年6月から、殺人など裁判員裁判の対象になる事件で、逮捕後の取り調べの可視化が義務づけられた。警察庁のまとめでは、全過程を可視化した割合は19年度が94・2%、20年度が95・6%、21年度が94・4%。22年度は、対象事件3653件の95・6%にあたる3493件で全過程を可視化した。
22年度に全過程の可視化をしなかったのは160件で、内訳は全くしなかったのが100件、一部をしなかったのが60件。160件のうち150件は、機器の故障や容疑者の拒否など法律で例外として認められているものだった。
残りの10件は本来可視化すべきなのにしなかったミスで、21年度の8件から増えた。10件のうち9件は機器の操作ミスなど。開始ボタンの押し忘れや電源コードが抜けていたなどのケースという。残り1件は捜査員が対象事件だと気付かなかった例だった。警察庁は、ミスが裁判に影響した事例はなかったとしている。
■ミスをなくすためには…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル