大阪府警富田林署で勾留中、面会室の仕切り板を壊して逃走したとして、加重逃走などの罪に問われた樋田淳也被告(33)の控訴審判決が5日、大阪高裁であった。長井秀典裁判長は、加重逃走罪を適用して懲役17年とした一審・大阪地裁堺支部判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。
一審判決などによると、樋田被告は2018年8月12日夜、富田林署の面会室で弁護士と接見後、室内の仕切り板を壊して逃走。49日目の9月29日、山口県周南市で現行犯逮捕された。
一審では、加重逃走など18件の事件について裁判官だけで審理し、うち計17件を有罪、窃盗1件を無罪と認定。その後、逃走前の強盗致傷など3件の事件を裁判員裁判で審理し、昨年7月に懲役17年(求刑懲役18年)を言い渡した。
弁護側は控訴審で、逃走は認めた一方、仕切り板を壊したのは樋田被告ではなく、第三者だと説明。器具を壊すなどして逃走した場合に適用される「加重逃走罪」(法定刑は3カ月以上5年以下の懲役)ではなく、「単純逃走罪」(法定刑は1年以下の懲役)にとどまると主張していた。
事件を巡っては、面会室の出入りを知らせるブザーが鳴らないように電池を外していたなど、富田林署のずさんな留置管理体制が発覚し、当時の署長らが懲戒処分を受けた。府警は、管内各署でブザーを電池の着脱式から電気で作動するタイプに変えたり、面会室から外部につながるドアをオートロックにしたりした。
只今(ただいま)、自転車にて日本縦断中!――。樋田被告は、大阪府警富田林署から逃走後、自転車で日本列島を旅しているように装って、中四国地方で逃走を続けていた。途中で地元の人と交流し、記念撮影に応じる姿なども目撃されていた。
一審の大阪地裁堺支部判決な…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル