警察署に虎のフェルト人形 きっかけの死亡事故、署員が込めた思い

 福岡県春日市の春日署で、交通課の来客用窓口に1月から虎のフェルト人形が飾られている。署員が交通事故の撲滅を願い、手づくりしたものだ。その思いを強めたきっかけは、昨年に管内で起きた死亡事故だった。

 人形は立体的なデザイン。はがきサイズの台紙から、フェルト生地でつくられた虎が元気よく紙を突き破って上半身を出している。台紙には、今年の年号「2022」とともに、「交通事故を0にしタイガー」とのメッセージが書かれている。

 つくったのは、署で車両整備士として働く論手(ろんて)真樹さん(47)。自動車販売会社に勤めていたが、警察官だった父の影響で、28歳で県警の行政職員になった。

 論手さんは、警察車両の不具合によって事故が起きないよう、日々の整備に力を入れている。警察車両が事故に絡むと、修理でしばらく使えなくなり、補充はない。パトロールにも支障が出るので、重要な仕事だ。

 署では今年、年賀状の代わりに署員からはがきサイズの紙に書いた新年の抱負を募り、会議室に飾る企画を始めた。

 趣味で絵を描いたり、フェルト人形をつくったりしていた論手さんは、今年の年男。イラストではなく、干支(えと)の人形をつくろうと思いついた。「自分が整備したパトカーが、事故に遭うことがないように」との願いとともに、別の特別な思いも込めた。

 昨年11月24日、春日市内…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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