警視庁は21日、池袋署がベトナム国籍の30代男性を暴行容疑で誤認逮捕していたと発表した。
被害者らの証言を根拠に逮捕したが、逮捕後に改めて男性の姿を確認した被害者から「犯人ではない」と説明があり、誤りだったと判断したという。
組織犯罪対策総務課によると、20日午後8時45分ごろ、東京都豊島区西池袋1丁目の路上で「外国人が騒いでいるのを注意したら胸ぐらをつかまれた」と110番通報があった。
池袋署員が駆けつけた際、被害者の50代男性と目撃者が誤認逮捕された男性について「あの人です」と話したため、署員は他の外国人らと一緒に近くにいた男性を午後9時10分に現行犯逮捕した。
男性は当初から否認していたが、署は防犯カメラの映像を確認するなどの捜査はしなかったという。
その後、署で再び男性の姿を確認してもらったところ、被害者は「犯人はこの人ではない」と証言。署は別人だと判断し、現行犯逮捕から約2時間半後に男性を釈放し、謝罪した。
署員が現場に着いた際、被害者と男性との間には少なくとも約10メートルの距離があり、男性の黒っぽい服装も犯人と似ていたという。
警視庁の松島隆仁・組織犯罪対策総務課長は「客観的な証拠を確認することなく特定していた。再発防止に向けて、捜査員に対する指導教養をしっかり徹底していきたい」と述べた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル