警視正、出版社から100回で2千万円 原稿執筆問題

 警察幹部らが警察官昇任試験の問題集の原稿を執筆し、適正な手続きをとらずに出版社「EDU―COM(エデュコム)」から多額の報酬を受け取っていた問題で、減給の懲戒処分を受けた大阪府警刑事部参事官の野田哲治警視正(58)=12日付で辞職=が2010年1月ごろから問題集の原稿執筆を始め、出版社から約100回にわたって原稿料を受け取っていたことが府警への取材でわかった。原稿料の総額は約2千万円に上り、自らの口座への振り込みか現金で受け取ったという。

 府警監察室によると、警察庁への出向経験のある野田警視正は、約25年前に出版社関係者と知り合った。09年に設立された同社側から依頼され、「後輩のためになる」と思い、問題集の原稿執筆を請け負うようになったという。月別の原稿料は20万~50万円だったが、約150万円に達した月もあったとされる。

 今回の処分では約2千万円の報酬のうち、国家公務員である警視正に昇任後の15年6月から18年8月までの13回分の報酬計約880万円が処分の対象となった。

 地方公務員法、国家公務員法はともに、無許可での兼業を禁じている。府警監察室の調べに、野田警視正は「兼業の認識はあったが、許可が下りないと思い、届け出なかった」と説明したという。

 大阪府警では野田警視正以外に計12人が問題集を執筆し、原稿料を受け取っていた。府警は執筆回数や原稿料が少ないことから処分を見送り、うち数人を12日付で口頭注意とした。

 兵庫県警は約71万~約216万円の報酬を得ていた警視4人を11日付で本部長注意や所属長注意の処分にした。京都府警はそれぞれ約100万円の報酬を得ていた近畿管区警察局出向中の警視と会計課の警部の2人を4日付で所属長注意の処分に。広島県警も10日付で約150万円の報酬を得ていた警視を本部長注意の処分にした。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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