将棋界の第一人者である豊島将之名人(30)=竜王とあわせ二冠=が、異例とも言える過密日程に挑んでいる。18、19日の名人戦第2局の後に2局戦い、25、26日の名人戦第3局を迎えた。総移動距離は2500キロを超えた。気力と体力が問われる長期戦が続く。
豊島名人に渡辺明三冠(36)が挑戦する第78期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第3局は25日、東京・将棋会館で始まった。対局は持ち時間9時間の2日制。夕方に封じ手が行われて26日朝に再開し、夜までに決着する見込みだ。
豊島名人は先週来、移動に次ぐ移動で対局を消化している。兵庫県在住の豊島名人は17日、新幹線を乗り継いで名人戦第2局の対局地である山形県天童市に入った。対局後、20日に静岡県河津町に移動し、翌日は叡王戦七番勝負第1局で永瀬拓矢叡王(27)=王座とあわせ二冠=と戦った。22日に関西に戻り、23日は関西将棋会館(大阪市福島区)で、糸谷哲郎八段(31)と対戦(王座戦・挑戦者決定トーナメント)。24日に東京に到着した。この間の総移動距離は2500キロを超えるが、交通手段は全て陸路だった。
これだけの強行日程になったのは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って対局の延期が相次いだからだ。名人戦と叡王戦の七番勝負は、共に開幕の予定が4月から6月に変更。日程の遅れを取り戻すために、対局の間隔が短くなった。
タイトル戦を始めとする長い持ち時間の対局は1日がかりで行われる。叡王戦第1局と王座戦の持ち時間は共に5時間。さらに前者は千日手(引き分け)が成立し、指し直し局が決着したのは午後11時13分だった。疲労の蓄積は避けられないはずだが、豊島名人はこれらを全て制し、公式戦は現在4連勝中だ。
豊島名人は24日、宿泊先のホ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル