農林水産省は20日、豚コレラ(CSF)対策の有識者会議を開き、豚へのワクチン接種を発生確認地域に隣接する神奈川県など8都府県にも拡大することを決めた。これを受け、県は県内79農場などの計約6万頭を対象に、初回接種を24日に始めると発表した。国から備蓄ワクチンの提供を受け、全頭分を確保した。
県畜産課によると、初回接種の対象は生後30日未満を除く全ての飼育豚。接種は2週間ほどで終わる見通しで、初回は養豚農家の負担なしで実施する。緊急性を考慮し、発生県と県内にまたがって農場を経営していたり、県内に複数の農場を持っていたりする農家を優先して接種する。
ほかに接種推奨地域に指定されたのは、茨城、栃木、千葉、東京、新潟、京都、奈良の7都府県。既に指定済みの12県を含めて計20都府県になった。8都府県は豚コレラ未発生だが、感染が波及する前に接種を進めておくことで、まん延防止を目指すとしている。
今回の決定を受け、神奈川県内の養豚農家でつくる「県養豚協会」の山口昌興理事長は「待ちに待った知らせ。関係者一丸となった要望が実った」と歓迎。黒岩祐治知事は「今後も防疫体制を徹底し、農家を全力で守っていく」とコメントした。
ワクチン接種を巡っては、同省はこれまで飼育豚や野生イノシシで感染が確認された群馬や長野など12県をワクチン接種推奨地域に指定。ただ、ウイルスを媒介するイノシシは短期間で遠距離を移動できることから、隣接する自治体からも接種の要望が出されていた。
神奈川新聞社
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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