国内での豚熱発生から2年となるのを前に、農水省は1日、対策本部を開いた。江藤拓農相は畜産農家らに改めて豚熱やアフリカ豚熱への警戒などを呼び掛けた。日本は国際防疫事務局(OIE)の清浄国認定を9月3日に失う見通し。感染防止策の徹底や国産のマーカーワクチンの開発などで、将来の復帰を目指す考えを示した。 豚熱は2018年9月9日に岐阜県で26年ぶりに発生して以来、8県で58件が確認されている。19年10月に同省が飼養豚へのワクチン接種を始めた後は、感染が落ち着き、20年3月以降の発生はない。 江藤農相は「ワクチン接種以降、感染拡大が見られていないことは努力の結晶」とした一方、「平穏な時間が続くと、どうしても気持ちが緩む。もう一度緊張感を持ってほしい」と呼び掛けた。アフリカ豚熱についてもアジアで感染が拡大しており、警戒を続ける必要があるとした。 OIEが認定する清浄国への復帰を目指す方針も示した。OIEは、農家が豚熱の疑いがあると家畜衛生保健所に通報した18年9月3日を起点に日本の清浄国認定を一時停止。2年後となる3日に認定を取り消す。同省は、ワクチンを接種した豚とウイルスに感染した豚を識別できる「マーカーワクチン」の国産化を進めている。
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