豪雨が奪ったのは、命だけではなかった。
「ドーン!」
2000年9月12日未明。高校3年生だった倉知里奈さん(37)=愛知県小牧市=は、雷が落ちたような音で目を覚ました。
名古屋市とその近郊を中心に、大きな被害を受けた東海豪雨から、20年になります。あのとき、災害に向きあった人たちの足跡と思いをたどります。
窓の外を見ると、並んでいたはずの観葉植物がなくなっていた。部屋を出ようにも、ドアが動かない。
「おじいちゃーん、おばあちゃーん」
近くの部屋にいるはずの祖父母を呼んだ。
返事はなかった。
拡大する倉知さん宅周辺での捜索活動=2000年9月12日朝、愛知県小牧市大山
こわくなり、窓から外に飛び出…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル