吉沢英将
短時間で集中的な豪雨をもたらす「線状降水帯」について、斉藤鉄夫国土交通相は28日の閣議後会見で、気象庁が予測情報の発表を6月1日から始めると明らかにした。発生する可能性が高いと判断できた場合、半日前に「九州北部」など全国11の地方に分けた広域での発生可能性を伝える。
気象庁によると、予測できた場合は警報や注意報に先立って警戒を呼びかけるためにホームページなどで発表する「気象情報」で示すことを想定している。予想雨量などとあわせて発生可能性にも言及し、豪雨への危機感を高めてもらう。
線状降水帯は積乱雲が次々とできて帯状に連なり、数時間にわたって同じ場所に豪雨をもたらす。2018年7月の西日本豪雨で発生したほか、20年7月に熊本・球磨川が氾濫(はんらん)した豪雨の要因にもなった。
これまで予測は、気象現象として小さいなどの理由から困難だったが、観測網の整備が進むなどして可能になった。同庁は予測技術のさらなる向上に取り組み、2029年度には市町村単位で半日前からの予測情報の提供も目指す。(吉沢英将)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル