磯部征紀
豪雨災害で鉄道の河川にかかる橋梁(きょうりょう)が流される被害を防ごうと、国土交通省は28日、JR各社に全国の河川橋梁の総点検を行うよう要請した。全国約5千カ所のうち、被災の恐れがあるものを抽出して現地調査を実施してもらい、早期対策が必要なものは、来夏までをめどに補強工事などを行うよう求めている。
国交省が同日開いた対策検討会で、JRに総点検の実施方法を示した。
国交省によると、JRには橋脚の構造や立地条件、過去の災害の発生状況などを参考に、川の流れで橋脚の基礎の周りの河床が削り取られる「洗掘」が発生する恐れがあるものを選定し、このうち緊急性が高いものから現地での緊急調査を行ってもらう。必要に応じ国交省の職員も立ち会い助言を行う。
国交省が過去の被災事例を分析したところ、洗掘が起きた多くは杭などの補強がなく、直接川底に基礎を設置した構造だった。また、川の流れる位置が建設時から変化したり、支流の合流地点になっていたりするものもあった。同省はこうした観点を踏まえて緊急点検対象を選ぶようJRに求めた。
全国のJRでは過去20年間に47カ所の橋梁で、橋脚の傾斜や橋桁の流出といった被害が起きている(磯部征紀)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル