■世界遺産 縄文遺跡をゆく② 北黄金貝塚
北海道伊達市の北黄金貝塚は、道内で最も美しい貝塚の一つと言われている。
世界文化遺産の登録直前の昨年5月、北海道・北東北の縄文遺跡群を本社機で空から観察した際も、噴火湾に臨む高台のあちこちに白い貝塚が見え、コントラストが絶妙だった。
JRの札幌駅から特急北斗に2時間ほど乗って、伊達紋別駅で降りる。駅前に1台だけとまっていたタクシーで20分ほど走ると、北黄金貝塚に着いた。
眼前に広がるのは、高低差10メートルほどの丘陵だ。丘の上の方に復元された貝層が白っぽく見える。A’地点貝塚だ。
急な坂をゆっくりと上る。数十メートルの幅でホタテ貝などの貝がびっしりと敷き詰められている。中央にエゾジカの角が突きささっている。いずれも現代のものだが、シカの骨はこの遺跡で動物に関わる儀礼が行われたことを示しているらしい。
A’地点貝塚は長さ80メートル、幅30メートルで、貝層の厚さは80センチに及んだという。カキやウニのからに混じって、オットセイなどの海獣類の骨が出土している。
貝塚というと、一昔前には「…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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