負傷した高齢男性が「電子マネー」 コンビニ店員の直感

小西良昭

 コンビニで客の特殊詐欺被害を防いだとして、京都府警は1日、宇治市広野町のセブン―イレブン宇治友ケ丘店(小佐井〈こさい〉一之店長)に感謝状を贈った。

 宇治署などによると、6月5日夜、市内の80代の男性が来店して「電子マネーを3万円分買う」。自宅から慌てて来る途中で転んだとも話し、負傷していた。

 30代の男性店員は「詐欺かも」と直感した。「何に使われますか」と使い道を聞くと、男性は「パソコンがウイルスに感染した。修理するために買う」。

 パソコン画面に突然、マイクロソフト社がウイルスを探知したように装ったウィンドーが現れ、記された番号に電話すると、対応した人物に電子マネー購入を誘導されたという。

 「だまされていませんか。警察を呼んで一緒に話しましょう」。店員はそう声をかけ、110番通報。男性は「大丈夫や」と言っていたが、駆けつけた署員と店員の話を聞き、思いとどまった。署は男性にパソコン会社へ連絡するよう伝えたという。小佐井店長によると、京田辺市の姉妹店でも3月ごろ、詐欺被害を防ぐ対応をしており、経験が生きたという。

 府警によると、1~5月に77件、計1億1385万円の特殊詐欺被害があり、被害者の9割が高齢者。電子マネーの購入指示は家族や警察に相談する▽パソコンの異常動作で表示された先に電話しない、などと呼びかけている。(小西良昭)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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