教員免許に10年の期限を設ける教員免許更新制が廃止されることになった。第1次安倍政権肝いりの「教育改革」だったが、ただでさえ忙しい教員の負担増と、なり手不足に拍車をかけ、導入から12年で頓挫することが確実になった。現場の教員からは歓迎や戸惑いの声が上がった。
「廃止は朗報だ」
愛知県の高校で地理歴史科を教える男性教諭(59)はそう話す。更新制が続くなら、定年後の再任用を断ろうと思っていた。自費で更新講習を受けてまで、引き受けたくなかったからだ。頼んできた校長から意思を聞かれ、じりじりしながら中央教育審議会の結論を待っていた。
以前、生活指導の更新講習を受けたが、制度面での研究成果が中心で、現場が悩んでいる課題からは遠く感じた。教務主任の仕事のさなか、やりくりして何とか受講した努力が報われなかったと思った。
更新制は職員室でも話題になるが、負担が大きすぎ、内容が教育委員会の研修と重なるといった声が大半という。「ベテランが免許を更新しなければ、教師不足が深刻化する。その問題が出てきて、やっと文部科学省が腰を上げた。もっと早く廃止してもらいたかった」
大分県の小学校で教える50…
この記事は
残り:1915文字/全文:2414文字
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment