財前直見さんらが守りたい里山の暮らし 息子と脱穀した米が並ぶ食卓

 棚田、ため池、かやぶき民家、農村歌舞伎――。日本の原風景と言われる里山が、担い手不足などで危機に直面している。その再生について、神戸市長の久元喜造さん、俳優の財前直見さん、東京都立大国際センター准教授の佐々木リディアさん、NPO法人「よこはま里山研究所(NORA)」理事長の松村正治さんが朝日地球会議2023で語り合った。

 財前さんは、3世代での故郷・大分の里山暮らしを始めて17年目になる。その魅力について「息子と一緒に脱穀したお米や、自生するミョウガなどが食卓に並ぶ。愛着が持てる暮らしです」と話した。一方、課題については「高齢化と相続手続きが進まない空き家問題だ」と指摘した。

 神戸市長の久元さんは、神戸市郊外の里山で育ち、その魅力を伝えるファンタジー小説も出版している。「人の手が入り続けることで維持されてきた自然環境が、担い手不足や耕作放棄で荒れて光が差し込まない暗い森になり、耕作放棄されている」と現状を訴えた。

 里山保全のためのNPO法人を立ち上げ、農業体験事業などを行ってきた松村さんは、担い手不足について「食やクラフト体験をとり入れると、女性や子どもも関わることができる」と話し、ビジネスにつなげる取り組みとして、自然保育などの好事例を挙げた。

 日本や欧州の里山を研究する…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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