財津一郎さんを悼む声続々 伊東四朗さん、間寛平さんら

 「タケモトピアノ」のCMなどで知られる俳優の財津一郎(ざいつ・いちろう、本名財津永栄〈ながひで〉)さんが14日、慢性心不全のため死去した。89歳だった。

 親しかった人たちからは、追悼のコメントが寄せられた。

 親交のあった俳優の伊東四朗さんは「六十数年前、石井均一座で化粧前を並べてました、音楽的に趣味が合って、よく楽屋でギター1本、ハモッテました。同年代が逝ってしまうのは寂しいです」とコメントを発表した。

 吉本新喜劇のGM間寛平さんは「めちゃくちゃ面白い方でした。僕が吉本新喜劇に入った時には吉本をやめられていましたが、新喜劇にいらっしゃる時の豪快すぎるエピソードを先輩からよく聞きました。ご冥福をお祈りします」とコメントを寄せた。

 映画「ふたたび swing me again」で共演した俳優の鈴木亮平さんは発表したコメントで、「財津一郎さんは、生意気だった26歳の自分を温かく包みこみ、同じ目線に立って一緒に歩いてくれました。そういう人間でありたいと、自分も今思うようになりました。財津さんの歩んできた道のりは、きっと新しい世代に引き継がれていきます。心から、ご冥福をお祈りいたします」と悼んだ。

 財津一郎さんの孫で俳優の財津優太郎さんはX(旧ツイッター)に「いつもかっこよく、力強く、面白い自慢の祖父でした。祖父は生前『役者は役を演じてはならない。役の人生を生きなければならない』と言っていました。その言葉を胸に、祖父のような見た人の記憶に残る俳優になれるよう精進してまいります」と投稿した。

 吉本新喜劇の作家中村進さんは、財津さんが座員だった当時を覚えている。「財津さんにとって、吉本新喜劇にいるのはすごく大変だったと思います。昭和のあのころ、関西弁でない芸人は浮きがちだったから。でも、良い意味で無頓着だったな。弁当なんて、ナイロン袋にご飯もおかずも全部ぶちこんでくる。合理的でしょ。台本を書き出したばかりの僕に、家庭のことまで赤裸々に話して笑わせてくれた。吉本を離れたあとはそれきりだったけど、ユニークな男でした」

 財津さんが出演したタケモトピアノのCMは、かつてテレビ番組「探偵!ナイトスクープ」でも特集され話題になった。番組を立ち上げたプロデューサー松本修さんは「あれを聞くと赤ちゃんが泣きやむらしい、ってね。関西らしくダサくて泥臭いCMがここまで広がったのは、財津さんのコメディアンとしての才能あってこそだと思います」とコメントした。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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