長田豊、足立菜摘、亀岡龍太
27日午後11時53分ごろ、愛媛県今治市の来島海峡西側の瀬戸内海で、神戸市の海運会社プリンス海運が運航する貨物船白虎(1万1454トン、12人乗り組み)と、マーシャル諸島船籍のケミカル船ウルサン・パイオニア(2696トン、13人乗り組み)が衝突した。白虎は約3時間後に沈没。日本人乗組員のうち9人は救助されたが、3人が行方不明になっており、巡視船艇などで捜索を続けている。
今治海上保安部によると、行方が分からないのは、船長の佐藤保さん(66)、1等機関士の小川有樹さん(27)、2等機関士の上畠隆寛さん(22)。今治市消防本部などによると、救助された9人は市内の病院に搬送。2人が重軽傷を負ったが、全員会話ができ、命に別条はないという。
白虎は27日午後4時半に自動車部品を積んで神戸港を出港し、福岡県の苅田港に向かっていた。ウルサン・パイオニアは酢酸を積んで中国から大阪港に向かう途中だった。ウルサン・パイオニアは衝突で船首が大きく損傷し、マストが折れるなどしたが、ホウ・ジェヨル船長(62)ら韓国人8人、ミャンマー人5人の乗組員にけがはないという。
来島海峡は1日約500隻が航行する海上交通の難所。現場海域は、海峡を抜けた船舶と海峡に入る船舶が交差するポイントにあたるという。事故当時、視界は良く、うねりもなかったが、干満の差が大きく潮の流れが速くなる大潮だった。
航路管制を担う来島海峡海上交通センター(今治市)によると、衝突直後にウルサン・パイオニアから連絡を受け、レーダーでも衝突を認め、第6管区海上保安本部(広島市)に通報した。(長田豊、足立菜摘、亀岡龍太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル