オンラインショッピングでは、否定的かつ少数派の口コミほど商品選びの役に立つ――。そんなユニークな研究成果を、東京大大学院の植田一博教授と山口大大学院の楊鯤昊(ヤンクンハオ)講師らのグループが発表した。
1996~2018年に英語での利用者が通販サイト「アマゾン」に投稿した約5千万件の商品レビューの中で、個々の商品に対する星1~5の評価や、押された「Helpful(役に立った)」ボタンなどをもとに、どのような投稿がより多くの人の役に立ったかを調べた。
植田教授によると、アマゾンでは、商品に肯定的なレビューのほうが圧倒的に多く投稿されており、全商品の平均的な評価は5点中、4点台という調査結果もあるという。従来は、多数派の商品レビューの内容ほど商品の平均的な評価を割り出し、利用者に有用な情報が含まれていると広く考えられていたという。
しかし今回の分析では、否定的な少数派のレビューの方が、より多くの「役に立った」ボタンが押されることが判明。否定的なレビューでは、商品を使用した感想やその問題点など、客観的で豊富な情報が記されている傾向にあった。
植田教授は、肯定的な商品レビューが多い中、あえて否定的な少数派の意見を投稿しようとする際に「レビューの質を高めよう」「説得力を持たせよう」という心理が働くとみる。日本版でも似たような結果になると考えられるという。
一方で少数派・否定的な商品レビューにも誹謗(ひぼう)中傷に近いような内容の乏しい口コミも一定数あり、注意が必要だという。
■「そういえば」研究のきっか…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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