春闘で正社員の賃上げの流れが顕著になった一方で、雇用者の3分の1強を占める非正規労働者の待遇改善は限定的だとみられている。企業が「雇用の調整弁」として増やしてきた非正規労働者。低待遇からの脱却には社会のあり方が問われている。
「人手不足の中で仕事はめちゃくちゃきつい」「なのに給料の上げ幅は26円だけですか」
2024年春闘の集中回答日となった今月13日。埼玉県の大学4年の男性(22)は東京都台東区にあるビルの前でマイクを持ち、集まった約40人と声を上げた。ビルは、男性のアルバイト先のスーパーを運営する会社の拠点だ。
3年前からレジ打ちの仕事などをしているが、店側に賃上げや勤務環境の改善を求める団体交渉に加わったのは21年冬ごろ。上司から休日に勤務するよう強要されたと感じたのがきっかけだった。
スーパーの運営会社にはパートやアルバイトら非正規労働者向けの労働組合はない。だが男性は大学で国際協力について学ぶ中で、貧困や労働問題に関心を持っていた。21年春に個人で入れる「首都圏青年ユニオン」に加入し、そのサポートを受けながら団交に臨んでいた。
今年の春闘では大手を中心に賃上げに沸くなか、中小企業や非正規労働者への波及が焦点となっています。特に正社員に比べて労働組合の加入率が低いとされる非正規労働者の待遇はどうすれば改善されるのでしょうか。識者が解説します。
最低賃金を下回る賃上げしか…
実家で暮らし、学費のほとん…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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