青森県八戸市の是川石器時代遺跡は、その知名度では、日本で十指に入る縄文遺跡である。
東北新幹線のJR八戸駅からバスに揺られること、20分。壁に黒い三角模様が連なる大きな建物が見えてきた。「八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館」だ。
遺跡は史跡指定面積21万9千平方メートル。縄文時代晩期の「中居遺跡」、前~中期の「一王寺遺跡」、中期の「堀田遺跡」という三つの遺跡からなる。
発掘調査は大正時代の1910年代から行われてきた。「円筒土器」と呼ばれる細長い筒形の縄文土器が大量に見つかったり、土器と一緒に中国の宋時代の銭が見つかって縄文時代の年代観が議論されたりするなど、考古学の研究史上、極めて重要な発見や論争の舞台になっている。
遺跡は新井田川沿いの台地上…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル