森下裕介
学校法人森友学園(大阪市)をめぐる財務省の公文書改ざんに関与させられ、自死した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54)の公務災害の認定理由が記された文書を巡り、大半を黒塗りで開示した人事院の対応について、総務省の情報公開・個人情報保護審査会が「不開示の具体的な理由が示されておらず、違法だ」として、一部不開示の決定を取り消すよう答申した。16日付。
俊夫さんの妻雅子さん(50)が、人事院に文書開示を求めていた。雅子さんの代理人弁護士によると、2019年12月に開示されたが、具体的な理由の説明がなく大半が黒塗りで、公務災害認定に至る経緯や判断理由などが十分に明らかになっていないという。
答申書は「どのような根拠で不開示情報に該当するのかについて内容の記載は皆無」と指摘。人事院のような対応では、開示を求める人が審査請求をする際、「具体的、効果的な主張をすることを困難にさせていると言わざるを得ない」として違法だと結論づけた。
人事院によると、答申に法的拘束力はないという。雅子さんの代理人弁護士は「理由も示さずに不開示とするのでは、『出したくないものは出さない』という恣意(しい)的な運用が可能になる。それが違法と認められたことに意義がある」と話した。(森下裕介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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