走り高跳び王者は「ドクター」 亡き恩師の研究支えに

 2回失敗し、最後の跳躍だった。右腕を振り上げ、勢いよく踏み切ると、身長194センチの体はふわりと高さ2メートル35のバーを越えた。

 2019年2月、ドイツで行われた陸上世界室内競技会。走り高跳びの戸辺直人選手(27)=千葉県野田市、JAL=は13年ぶりに日本記録を塗り替え、優勝した。

 リオデジャネイロ五輪の結果に照らせば、銅メダルに相当する好記録だった。

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 「日本記録保持者」であり、筑波大学の博士号(コーチング学)を持つ。海外の選手から「ドクター トベ」と声をかけられることもある。走り高跳びの動作を分析し、より高く跳ぶために必要な技術やトレーニング理論を研究。コーチはつけず、それを自ら実践している。

 このスタイルになったのは、筑波大陸上競技部の前監督、図子(ずし)浩二さん(故人)との出会いがきっかけだ。同大教授で、陸上跳躍選手のトレーニング理論が専門だった。戸辺選手の学生時代のコーチで、研究の指導教員でもあった。

 口癖は、科学的な根拠に基づく…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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