台風10号は超大型に。今後、発達しながら北上。台風接近に伴い西日本は大荒れとなり、進路から比較的離れた所も風や雨が強まる恐れ。動きが遅いため影響が長く続き、交通機関の乱れが大きくなる可能性も。
14日から15日頃 強い勢力で西日本に接近・上陸のおそれ
台風10号は、きょう12日午後3時現在、小笠原諸島の父島から西南西に離れた海上にあり、北西へ進んでいます。大きさは「超大型」。風速15m/s以上の強風域の範囲が広く、北海道から九州までが収まってしまうほどです。今後、進路を少しずつ北よりに変えるでしょう。次第に発達しながら進み、14日(水)から15日(木)頃にかけて「強い勢力」で西日本へ接近し、上陸するおそれがあります。その先、16日(金)から17日(土)にかけて、日本海を北東へ進む見込みです。
西日本に限らず 東・北日本にも影響拡大 長い時間荒天に
この台風は「強い風の範囲が広い」「動きが遅い(特に西日本付近で)」という特徴を持っています。
上陸の可能性が高い西日本は、大雨や暴風に長い時間警戒が必要になりそうです。東日本や北日本も風が強まるおそれがあり、台風から遠くても気を抜けません。周辺の湿った空気の影響で、同じような所で断続的に雨雲が発達し、大雨となることも考えられます。広い範囲で荒れた天気が続き、Uターンに大きな影響が出そうです。目的地までの気象情報、交通情報を十分確認のうえ、移動の計画には幅を持たせると良さそうです。
各地の警戒・注意が必要な期間
●西日本(九州から近畿):あす13日(火)、台風周辺の湿った空気が流れ込むため太平洋側では局地的に雨が強まるでしょう。沿岸部では風が少しずつ強まりそうです。「14日(水)の夕方以降」は、太平洋側の一部に台風本体の発達した雨雲がかかり、暴風の吹く所も出てくると予想されます。15日(木)にかけて、各地で大雨や暴風に警戒が必要になりそうです。土砂崩れや川の氾濫といった災害の危険が高まる所もありそうです。特に、崖や川の付近にお住まいの方は、持ち出し品の準備や避難経路の確認など、いざという時への備えをなさってください。また、太平洋側の海岸や河口付近の低い土地では、高潮による浸水の被害が発生するおそれもあります。16日(金)には、雨のピークは過ぎそうですが、風が強く、波の高い状態は続くでしょう。
●東日本(東海・関東甲信・北陸):あす13日(火)は、台風周辺の湿った空気が次第に流れ込みます。東海では、夜は三重県を中心に非常に激しい雨の降る所がありそうです。台風の影響が広がるのは15日(木)から16日(金)です。沿岸部を中心に風が強まるでしょう。波はいまよりもさらに高まり、大シケとなる所もありそうです。海岸付近の道路には、越波の影響が出ることも考えられます。また、あちらこちらで雨雲が発達します。特に東海では、同じような所で長い時間雨が続き、災害につながるような大雨となる恐れもあります。
●北日本(東北・北海道):16日(金)から17日(土)にかけて、沿岸部を中心に風が強まり、波が高くなるでしょう。また、台風に向かうように流れ込む湿った空気の影響で、局地的に雨が強まりそうです。台風が、予報円の最も東を進んだ場合には、台風周辺の発達した雨雲が、日本海側の地域にかかる可能性もあります。
※なお、現時点では、まだ台風の進路や、進む速度の予想に幅があります。各地方の詳細な雨風のピークを予想するのは難しい状況です。今後も、情報を更新していきますので、ご確認ください。
日本気象協会 本社 戸田 よしか
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