新型コロナウイルスの感染状況を分析し、対策を厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)が30日、会合後の会見で、微細な飛沫(ひまつ)粒子によって感染が起きる「マイクロ飛沫感染」が3密(密集、密接、密閉)の状況では起こりやすいと注意を呼びかけた。一方、十分に換気された電車などで、この感染が起きるのは限定的だとした。
アドバイザリーボードは、新型コロナは接触感染や飛沫感染のほか、マイクロ飛沫によって感染が広がっていると指摘。飛沫感染は、せきや会話で出た飛沫によって通常2メートル以内で感染が起きる。一方、マイクロ飛沫感染はもっと小さな飛沫で、換気の悪い密室で長時間漂い、少し離れた距離でも感染が起きる。空調などを通じて長い距離でも感染が起きる空気感染とは異なる概念という。
マイクロ飛沫感染は、十分に換気された電車だけでなく、屋外の散歩や感染対策をしている店での買い物、食事では起きにくいとした。座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「麻疹や水ぼうそう、結核のような空気感染とは違うとはっきり区別してお知らせしたい」と話した。(合田禄)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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