身の丈に合わぬパワー持ったPTA 必要なのは「指輪物語」

 東京都小学校PTA協議会(都小P)が、日本PTA全国協議会(日P)からの退会を決めました。長年、課題視されてきた日Pの存在意義やあり方に再び注目が集まっています。2008年に「PTA再活用論」でPTA問題を世に問うた作家の川端裕人さんは、「PTAには『指輪物語』が必要」と言います。どういうことでしょうか。

かわばた・ひろと 1964年生まれ。2007年から09年にかけて東京都世田谷区立小学校のPTA副会長を務める。著書に「PTA再活用論」「『色のふしぎ』と不思議な社会」など。

 ――今回の動きをどのように見ていますか。

 「連合組織の役割を問い直す、いいきっかけになっていると感じています。これまでPTAは、学校ごとのPTA(単P)の問題ととらえられてきました。『PTAは必要なの?』という話題でも、対象となっていたのは単Pです」

 「確かに、非常に多くの人が単Pで大変な思いをしていることは事実ですし、連合組織の活動のために、単Pから人がかり出されている問題もあります。でも僕は、今回は連合組織のあり方を多くの人に考えてほしいと願っています」

「会員規模」に数えられても、意見反映されぬ保護者

 ――川端さんが考える日Pの問題とは。

 「日Pホームページにある会長のあいさつで、『800万人の会員規模にも及ぶ組織』と記載されています。普通に読めば、800万人の会員がいると思うでしょうが、日Pの正会員は、都道府県などの連合組織だけです。だから、『会員規模』に数えられている人たちは、直接意見を反映してもらえる立場ではないのに、日Pの勢力に資する人数として語られています」

都小Pの日Pからの退会を機に、連合組織のあり方を再考したいという川端裕人さん。記事後半では、ニュージーランドで体験した保護者組織やその連合組織の役割をヒントに、現在の日本の問題点を指摘しています。PTAが自ずと持ってしまう「パワー」についても話しています。

 「かつて一PTA会員として…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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