障害がある人もその人らしい華やかな装いで結婚式を挙げてもらいたい。神奈川県逗子市の服飾デザイナー宮澤久美さん(56)はそんな思いでウェディングドレスの仕立てや式場選び、当日の演出などを手がけている。
自宅兼仕事場には色とりどりのウェディングドレスが何着もつるされている。通常のドレスと違うのは、車いすでも着脱しやすいように考えられていることだ。わきをファスナーにして座ったまま脱ぎ着できるようにしたり、スカートの下にはいて膨らませる「パニエ」を腰に巻きつける方式にしたり。ドレスと同じ素材で車いすカバーをあつらえることもある。
あるとき、新郎新婦とも車いすを使うカップルからフォトウェディングの相談を受けた。
車いすダンスを楽しむ2人は、思い出の東京・丸の内でダンスをしながらの撮影を希望した。
宮澤さんは車いすで回転しても美しく見えるドレスを仕立て、動きの邪魔にならないようタキシードのすそを短くするなど、デザインを工夫した。撮影や移動、支度に安全な場所を選び、夜の丸の内を舞台に、婚礼衣装で車いすダンスを踊る2人の印象的な写真が撮影できた。
和装にも対応している。上下セパレートになっている着物を用意し、帯は面ファスナーで留めて、桜の咲く小田原城での式を演出したことも。
宮澤さんはアパレル会社に勤めたあと、個人で服のオーダーメイドやリメイクを手がけていた。障害がある人でも着やすい服を作りたいと思ったのは母親の病気がきっかけだった。
難病で運動機能が低下し、ボ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル