昨年7月の参院選で初当選した河井案里参院議員(自民、広島選挙区)の陣営が車上運動員に法定上限を超える報酬を支払ったとされる事件で、車上運動員の領収書が2種類作成されていたことが関係者への取材でわかった。それぞれ日付は異なるという。広島地検は陣営関係者から任意で事情聴取し、経緯を把握。働いていない日も勤務したように装い、法定の報酬額内で収まったように工作した疑いがあるとみている。
関係者によると、公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された案里氏の公設秘書の立道(たてみち)浩容疑者(54)は、任意段階での聴取で2種類の領収書の存在を認め、違法性を認識していたとの趣旨の供述をしたという。
ある車上運動員の領収書の日付は、参院選の公示前の昨年7月1日と、投開票日の同21日。1日付は人件費名目、21日付は車上運動員としての報酬(日当)名目で支払われた。
選挙運動費の収支報告書に添付され、広島県選挙管理委員会に提出されたのは21日付分のみ。公選法と同法施行令が規定する上限額(日当1万5千円)が勤務日数分支払われたことを示す内容だった。別の関係者は、立道容疑者がこうした領収書の受け渡し時に立ち会っていたことがあると証言している。
広島地検は立道容疑者のほか、案里氏の夫で前法相の克行衆院議員(自民、広島3区)の政策秘書の高谷真介容疑者(43)、案里氏の陣営幹部を務めた脇雄吾容疑者(71)を逮捕。報酬が支払われた経緯について捜査している。案里氏の事務所は取材に、「多忙で回答は難しい」としている。
■過去にもあった、法定上限を超…
980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル