中村英一郎 阿部育子
横浜市の新交通システム「シーサイドライン」で2019年6月、自動運転車両が逆走し、乗客16人が負傷した事故で、横浜地検は8日、業務上過失致傷容疑で書類送検された東急車両製造(現・総合車両製作所)の社員だった男性3人を不起訴処分にした、と発表した。
3人は、自動運転車両の設計担当者。2019年6月1日夜、新杉田駅(同市磯子区)で安全制御システムの設計不備により列車を逆走させ、車止めに衝突させて、乗客16人に骨折などのけがを負わせたとして、今年6月に書類送検された。
国の運輸安全委員会が21年2月に公表した調査報告書によれば、事故当時、新杉田駅に到着した列車の1両目後部で電気系統に断線が起き、駅側からの方向転換の指示が車内制御装置に伝わらず逆走した。
捜査関係者によると、地検は車両設計会社や鉄道会社など、複数の同業他社へのヒアリングを実施。当時の車両設計の一般的な水準を踏まえ、事故の可能性を予想できたか(予見可能性)や、事故を防ぐため、適切な対策をする義務に違反したか(結果回避義務違反)などを検討していた。
自動運転車両の事故を巡っては、1993年に無人運転「ニュートラム(大阪市)」がオーバーランし、約200人が重軽傷を負った事故で、市交通局の当時の担当課長ら4人を大阪府警が同容疑などで書類送検したが、大阪地検が97年に不起訴処分とした。(中村英一郎、阿部育子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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