横浜市の新交通システム「シーサイドライン」の新杉田駅(同市磯子区)でコンピューター制御の自動運転の車両が逆走して車止めに衝突した事故で、運行を制御する自動列車運転装置(ATO)の地上側装置の記録に異常がないことが2日、運営会社への取材で分かった。車両側のATOとのやりとりで何らかの不具合が起きた可能性があり、神奈川県警は機器やシステム異常の有無を調べ、業務上過失傷害容疑を視野に捜査する。
運輸安全委員会の鉄道事故調査官は2日、現地で事故車両を調査。同社による5月30日の目視点検では異常はなく、今後、原因を詳しく調べる方針だ。
運営会社によると、車両はコンピューターで自動運転。駅にある地上側と車両側のATOで情報をやりとりする。運輸司令所などのコンピューターを調べたところ、新杉田駅に到着した事故車両に進行方向を反対にするよう指示し、車両側から切り替えたとの応答があった。異常も確認されず、発車を指示して逆走が起きた。
県警などによると、事故当時は約50人が乗車。ドアが閉まって出発しようとしたところ、約25メートル逆走し、車止めに衝突した。15人が搬送されたが、磯子署は2日、けがは14人で6人が骨折などの重傷、8人が軽傷だったと発表した。
シーサイドラインは前進時に不具合があれば自動停止するが、逆走時は想定されず自動でブレーキがかかる仕組みはないため、司令所が手動で停止させる。司令所が異常を知ったのは、車止め衝突後だった。
運営会社は2日午後に記者会見し、三上章彦社長は「原因が特定できていない」とした上で、運転再開のめどが立たないと陳謝。3日以降も運転できない場合、1日約5万人に影響が生じるという。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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