転職30回、ひきこもり…「なぜ普通に働けないのか?」孤独死寸前の生活を救った「竹ぼうき」の音(withnews)

「10億の家とかをバンバン建てる。けど……」

二つの池を臨む巨大な都立公園――。その公園に、穏やかな笑顔で、竹ほうきを片手に公園の警備員と挨拶を交わす人懐っこそうな中年男性の姿がある。それが佐野靖彦さん(57)だ。聞くと、警備員とは顔なじみで、いまは自宅に招いて酒を飲みかわす間柄だという。しかし、3年前までの佐野さんは、完全なひきこもり状態だったというから驚く。佐野さんが公園の近くのアパートに4年前に引っ越してきたのは4年半前だ。 佐野さんの生まれは、岡山県総社市。父親はヤクザで、母親はキャバレーの従業員だった。親からはネグレクトされて育ち、愛情を受けた記憶はあまりない。そのため、家族が集える家庭に憧れて、『茶の間』をテーマに、建物の設計の道を志した。 地元の工業高校に進学し、卒業後は建築物の設計の仕事に携わることとなる。バブル時代は、そんな志と現実とのギャップに頭を悩ませたことが多々あったという。 「当時バブルで、成り金たちは10億の家とかをバンバン建てる。だけどその結末が、結局一家離散だったりするの。建物を壊して、また建てる。作っていた身からすれば、一生懸命作っても、結果としてそれが壊されることが辛かった。設計もそうだし、工事してくれた人も、やったことの全てが生かされない。建物を作るんだけど、結局そこで建物を使ってる人が幸せにならなければ、その建物も生かされないんじゃないかなと思ったのね。建物を作ることよりも、それをどう生かしたらいいのか、考えるようになった」

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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