能登半島地震を受け、石川県に派遣されていた富山県警広域緊急援助隊が12日、活動の模様を報道陣に報告した。大規模火災があった石川県輪島市での捜索で、遺骨の可能性があるものを発見した状況や、被災者の感謝の言葉に励まされた心境を語った。
隊員28人は7日に出発し、金沢経由で能登に向かった。八田俊寛中隊長によると、土砂崩れや崩落による悪路に加え、雪の影響もあって一部の目的地には入ることさえできなかった。
実際に捜索活動ができたのは9日午後。地震後、大火に見舞われた輪島市河井町で、犠牲になっている人がいないか捜した。みぞれが降る中、隊員らは焼け跡のがれきを取り除き、灰や泥の中にひざをつき、手探りで掘った。結果、遺骨ではないかと思われるものを複数発見し、石川県警に引き継いだという。
八田中隊長は「もし亡くなった方なら、体の一部も出てこないのは家族にはつらいこと。人命救助はできなかったが、心を救うところに微力ながら貢献できたのでは」と述べた。
10日には、警察の部隊として初めて同市門前町の皆月地区に入り、全員の安否を確認した。隊員は住民から「富山も大変なのにありがとう」「皆無事だから、帰れなくなる前に戻って」と温かい声をかけられたという。(佐藤美千代)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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