農の国をたどるドキュメンタリー 監督は「分からない」を大切にした

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編集委員・大村美香

 水田で、ハウスの中で、耕す人は何と向かい合い、何を考え、感じているのか。農家の言葉を丁寧に聞き、営みを追ったドキュメンタリー映画「百姓の百の声」が完成し、11月から公開される。

 監督の柴田昌平さん(59)は、「撮影当初は理解できないことだらけだった」と言う。

 柴田さんは、「ひめゆり」「千年の一滴 だし しょうゆ」などドキュメンタリー映画を手がけてきた。大学時代に山梨県の山村に滞在した経験があり、いつか農の世界を撮りたいと考えていた。2018年に取りかかり、20年からは農山漁村文化協会の月刊誌「現代農業」の取材に同行して各地の農家を訪れた。

 「でも、交わされる言葉の意味が全然分からない」。初めて聞く専門用語ばかり、植物の生理にも詳しくない。異国にいるようで、戸惑い落ち込む日々が続いた。

 だが、分からないという感覚…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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