根岸拓朗 国吉美香
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画について、沖縄県による「埋め立て承認の撤回」を国が取り消したことをめぐる訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)は8日、県の上告を棄却する判決を言い渡した。県の敗訴が確定した。
県は2018年、埋め立て予定海域で軟弱地盤が見つかったことなどから、13年に出した埋め立て承認を撤回した。防衛省沖縄防衛局が行政不服審査法に基づく審査を求め、国土交通相が県の撤回を取り消す裁決をした。県は裁判で、この裁決の取り消しを求めた。
第一小法廷は、埋め立ての承認・撤回などの処分は、国が自治体に処理を任せる「法定受託事務」で、不服に関する審査は国交相が担う、と指摘。国交相の裁決に異議を申し立てる権利を県に認めれば「迅速な解決が困難となる」と述べた。地方自治法などに今回のような訴訟を起こせる規定もなく、「県は訴訟を起こせない」と結論づけた。
一審の那覇地裁と二審の福岡高裁那覇支部も、県が訴訟を起こせるケースではないとして、裁決の是非には立ち入らずに訴えを退けた。第一小法廷は、理屈は異なるが、同様に「門前払い」とした。(根岸拓朗)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル