近畿大医学部法医学教室で大学の経費が詐取されたとされる事件で、大阪府警は、元主任教授の巽(たつみ)信二容疑者(66)と元医療機器販売会社員の無職藤戸栄司容疑者(52)が別に総額1千万円以上の私物を経費で購入していたとして、30日にも詐欺容疑で再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。巽、藤戸両容疑者は容疑をおおむね認めているという。
捜査関係者によると、2人は共謀し、実際は巽容疑者の私物を購入したのに、医療用品を購入したとする偽の領収書や請求書を大学側に出し、1千万円以上をだまし取った疑いがある。
捜査関係者らによると、巽容疑者は、藤戸容疑者が2019年3月まで勤めていた大阪市の医療機器販売会社にゴルフ用品などを発注した。同社は指定された物品を購入し、同程度の額で品目を医療用品とした領収書などを法医学教室に渡していたという。同社では藤戸容疑者が法医学教室との取引のほぼすべてを取り仕切っていた。
同社関係者は府警の調べに、巽容疑者が購入したとされる私物と価格などを記したリストを保管していたと説明したという。府警はこのリストを押収して調べていた。
巽、藤戸両容疑者は6月9日、近大から医療用品の経費約1780万円をだまし取ったとして詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕された。
捜査関係者によると、藤戸容疑者は容疑を認め、巽容疑者は当初は容疑を否認していたが、最近になって認め始めたという。
近大法医学教室をめぐっては、府警から依頼された司法解剖の際に検査料を受け取りながら、最終的な鑑定書には結果が書かれていない検査が複数あることが判明している。府警は国費でまかなわれる検査料を水増し請求していた疑いがあるとみて調べている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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