近畿大医学部法医学教室の元主任教授、巽(たつみ)信二容疑者(66)=詐欺罪などで起訴=らが近大の経費をだまし取ったとされる事件で、巽容疑者が大阪府警に司法解剖の検査料を水増しして請求して詐取した疑いがあるとして、府警は16日にも詐欺容疑で再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。
巽容疑者は約40年間で約4千件の司法解剖を行ってきた。近大の経費に加え、国費である検査料も詐取した疑いが強まった。
捜査関係者によると、巽容疑者は、実際には行っていない検査をしたとして、検査料を府警からだまし取った疑いがある。
司法解剖は、犯罪死の疑いがある遺体を調べるため、警察が大学に委託して法医学教室で実施される。担当医が必要と判断すれば血液や薬物などの検査も行える。法医学教室は、行った検査数に応じた金額を府警に請求し、府警は国費から検査料を支払う。
司法解剖の結果は、鑑定書にも記載され、殺人事件などの公判では証拠として採用されることもある。
巽容疑者は3月末、大阪市の医療機器販売会社の元社員と共謀して大学から経費をだまし取ったとして懲戒解雇されていた。6月末、元医療機器販売会社員と共に近大から経費約1740万円をだまし取ったとして詐欺罪などで起訴され、さらに経費約2100万円をだまし取ったとして詐欺容疑で再逮捕されていた。
府警は近大側へ支払った検査料についても、資料の保存期間を踏まえ、数年分について調べていた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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