迫る聖火リレー、辞退者も 焦る自治体「早めに方針を」

 新型コロナウイルス収束のめどがたたないまま、1年延期された東京五輪の聖火リレーが約2カ月後に迫る。大会組織委員会は緊急事態宣言が続く場合、規模縮小の検討を始めた。準備を進める自治体の担当者からは「早めに方針を示して」との声が上がる。今年こそはと願うランナーの心中も複雑だ。

 「延期前と同じ規模で準備を進めるしかない。組織委は早めに方針を示してほしい」

 3月25日のスタート地点となる福島県の佐藤隆広オリンピック・パラリンピック推進室長は話す。昨年は開始2日前に突然延期が決まり、沿道の警備の解約料など計約2億5千万円の負担を強いられた。

 3月末に予定されている群馬県の担当者も、組織委から具体的な感染防止策が示されず対応が決められないといい、「正直時間がない」と焦りを見せる。

 来月7日の期限が延長される可能性も指摘されている緊急事態宣言の行く末に気をもむ担当者も多い。

 宣言の対象で、福島に続いて3月28日にリレーが始まる栃木県。足利市は今月19日に市民会館で開催予定だったリレーの実行委員会を書面開催に切り替えた。「50人集まる会議は不安」との声が出たためだ。県の担当者によると、県内の自治体では聖火リレー担当の職員が少ないうえ、他の職員も新型コロナ対応で多忙を極めているという。「リレー実施の判断基準と代替案を早めに示してもらいたい。特に3月に実施する3県の実情は切実だ」と訴える。

一部中止、議論の県も

 4月5、6日予定の愛知県も宣言が出ている。昨年末からランナーに辞退者が出始めた。県の担当者は「県民に喜んでもらえればいいが、そうはいかない状況にどんどんなっている」と危機感を募らせる。

 予算は昨年と同程度の約2億6…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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