群馬県太田市の太田女子高1年猪越(いのこし)美玖さん(15)は、思わず叫んだ。
「待って!」
4月6日の午後6時半ごろのことだった。市内の学習塾から自転車で帰っていた猪越さんの目に、赤信号の横断歩道を渡ろうとしている男の子の姿が飛び込んできた。
立ち止まった男の子には車が迫っていたが、運転手が気づいてよけてくれた。
猪越さんは男児に駆け寄り、ぐっと引き寄せる。幼稚園の服を着た男の子は4歳。けがはなかったが、近くに保護者はいない。迷子だと察しがついた。
小さな男児に「家はどこ」「お母さんは」と訪ねても要領は得なかった。
でも、このまま放っておけない。
どこかへ向かおうとする男の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル