川田惇史
静岡県牧之原市の認定こども園のバスで、置き去りにされた3歳の女児が亡くなった事件を受け、大阪府が保育施設や幼稚園などを対象に送迎バスでの置き去り事案を独自に調べたところ、過去5年間で19件起きていた。府が2日発表した。最長で1時間半置き去りの事案もあったが、いずれも健康被害はなかった。
調査は2017年4月~今年11月を対象に、府内の保育施設、幼稚園、障がい児通所支援事業、放課後児童クラブ、府立支援学校の計4267施設で実施した。
19件はすべて異なる施設で、置き去り時間は、10分未満が10件▽10~20分が7件▽30分程度が1件▽1時間半が1件だった。
1時間半の事案は、21年11月に認定こども園で起きた。バス内での確認が漏れるとともに、職員が推測で出欠状況を判断していた。催しに出発する際、置き去りに気づいたという。そのほか18件は、朝の出欠確認で判明したほか、運転手が給油先や車庫で発見するなどしていた。
府では、寝ている子どもがいる場合の見落としや、普段と異なる状況下で、職員間の引き継ぎが不十分になりやすいことが課題と指摘している。
調査結果を受けて、吉村洋文知事は「人間のやることなのでエラーは起きる。ほとんどの事案で出欠確認をすることで短い時間で気づけていた。リスクを共有することで発生も防いでいきたい」と述べた。府では今後、置き去り事案が発生した場合、短時間のものであっても府に報告を求め、事案の概要をホームページで公表することにしている。(川田惇史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル