新屋絵理
公立福生病院(東京都福生市)で2018年、腎臓病患者の女性(当時44)が人工透析の治療をやめたあとに死亡した問題で、遺族が病院側に慰謝料を求めた訴訟は5日、東京地裁で和解が成立した。桃崎剛裁判長は和解条項で「透析中止は患者の生死に関わる重大な意思決定で、病院側の説明や意思確認が不十分だった」と批判した。
一方で、「病院側が透析中止を提案して死を誘導したとは認められない」とも説明した。和解条項はほかに①病院側が解決金を支払う②再発防止として患者が意思決定後も病状変化に応じて病院側が意思を確認する――など。
女性は当時、医師と相談して人工透析治療の中止を承諾したものの、呼吸の苦しさなどから数日後に治療中止の撤回を申し出た。だが治療は再開されなかった。遺族はこの日、「患者がどんな状態でも言葉に耳をかたむけてほしい」とコメントした。(新屋絵理)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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