手代木慶 阿部育子 村上潤治
横浜市鶴見区で6月、大学生の冨永紗菜さん(18)が元交際相手に殺害された事件。遺族は「警察に相談しても有益なアドバイスをもらえなかった」とのコメントを出した。2人の間でトラブルがあったとする通報で、警察は計4回出動していた。ただ、被害届がなく、本格的介入には至らなかった。なぜ命を救えなかったのか。
事件は6月29日午前10時15分ごろ、冨永さんが住むマンション駐車場で発生。冨永さんを包丁で複数回刺して殺害したとして、神奈川県警は元交際相手の自称会社員伊藤龍稀(はるき)容疑者(23)を殺人容疑で逮捕した。
知人によると、冨永さんは伊藤容疑者と、アルバイト先の飲食店で知り合ったという。2人は2年ほど交際したが、トラブルが絶えず、県警には2021年10月以降、計4回の通報があった。
県警の説明によると、1、2回目の通報時、県警はそれぞれの親に口頭で、適切な対応をとるよう監護を依頼。3回目の昨年12月、冨永さんは「別れたら殺す、と言われた。首を絞められた」と県警に訴えたが、翌月には「仲直りした」と話したため、県警は取り扱いを終えた。
交際解消後、過激化した容疑者の行動
今年6月22日にも、けんか…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル