松田果穂、角津栄一
通学路の安全対策として、群馬県は年度内に県道や国道の85カ所でガードレールの設置などを進める。6月に千葉県八街市で飲酒運転のトラックが下校中の小学生の列に突っ込み、児童5人が死傷した事故を受けたもので、同様の取り組みは県内の自治体でも始まっている。
県道路管理課によると、通学路の安全点検は県や学校関係者らで毎年行ってきたが、千葉での事故後に県や県警、学校関係者らが緊急の合同点検を実施。保護者や小学校のPTAから自治体の教育委員会へ寄せられた意見をもとに、点検項目を強化した。その結果、8月までに県内の県道や国道の85カ所で、危険な場所が見つかった。
高崎市立城東小(同市江木町)近くの信号がある県道の十字路も、その一つだ。道路の幅が狭く交通量が多いが、ガードレールはない。今回の点検でも「車の右左折時に信号待ちをしている子どもが巻き込まれる危険性が高い」と指摘された。県は応急処置として、反射材がついたラバーポールを交差点の四隅に設置。今後、ガードレールが設置される予定という。
県はガードレールを設けることに加え、運転手の注意喚起のため路面を緑色に塗る「グリーンベルト」、「横断注意」の道路標示の整備なども進め、通学路の安全を高める方針。9月の一般会計補正予算で1億円を計上するほか、今後も点検を進め、必要に応じて安全策を講じる予定だ。県の担当者は「予算が成立し次第、速やかに対策工事を行い、通学路の安全確保に努めたい」と話している。
県内ではこのほか87カ所で、横断歩道の白線が塗り替えられる。県警も、持ち運びができる速度違反自動取り締まり装置(可搬式オービス)などでの取り締まりの強化を進める。
市町村が管理する道路でも、各自治体が対策を行っている。
藤岡市は通学路の点検で危険箇所と確認された170カ所以上について、対策工事を10月から始める。市によると、路面の標示の書き直しや設置が50カ所、注意を呼びかける標識の設置20カ所、破損した側溝ふたの交換など100カ所で工事を実施。他に、路上の車道と歩行者エリアを区分する白線など総延長約40キロの書き直しや傷んだ舗装の補修をする。費用は約1億2600万円で、9月補正予算に計上した。(松田果穂、角津栄一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル